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9%の憂鬱。消費生活相談から。

65,595件。
実はこれ、H25年度の神奈川県内の消費生活相談の苦情件数です。
昨年度に比べて9%の増加となりました。
先日行われた、神奈川県の消費生活審議会では、この9%が議論されました。
なぜ増えたのか? 対策は? 暮らしの変化は? などなど。

今年度より私も消費生活審議会の委員として参画させて頂き、
生活者の視点から、暮らしの変化について意見しました。

苦情相談の1位はデジタルコンテンツ、
また増加の目立つ商品は健康食品で前年度の2.3倍、
そして年々増加する住宅リフォーム工事も前年比15%増加。
高齢者の苦情相談は21.3%増加。

こうした背景には、やはりネット社会の普及があります。
従来、高齢者と呼ばれてきた世代の人たちもスマホなどの普及により
今ではネットを使いこなすようになりました。
また高齢者の弱みにつけこんだ、訪問販売も増えています。

けれども、数字に見えないもっと深いところでは、
高齢者の単身世帯が増えているということも関係あるかもしれません。
昔なら「おばあちゃん、それはやめたほうがいいよ」とか
「じいちゃん、それは僕が買ってくるから」という家族が一緒に
いたのですが、単身ゆえに身近な人に相談できずに
詐欺に引っかかってしまう・・・・という苦情が増えていることも事実でしょう。

そう考えると、実は急増している“オレオレ詐欺”も、
問題の根本は高齢者の問題というよりも、
核家族化による単身世帯の増加という
暮らしの変化が実は大きな要因なのかもしれません。

@敬老の日に。

family2

photo Public Domain成瀬巳喜男

まちレシピ@有隣堂本店

雑誌「コトレシピ」3号にて特集した
「だんごコミュニティ」をきっかけに
有隣堂伊勢佐木町本店にて、6月8日に読者イベントを開催しました。

まちをメディアに、どきどきわくわくするコトを創っていこう、
という趣旨ではじめた「まちレシピ」の記念すべき第一回め。
みらい出版、有隣堂本店、スマート・ウィメンズ・コミュニティによる
まちレシピ実行委員会を結成しての開催となりました。
ウォーキングに関しては、みんなの元気学校さんに協力頂きました。

横浜を舞台に数々の小説を書いてきた山崎洋子さんを講師に、
横浜の歴史と、ポールを使った街歩きを楽しむ
「ハマの歴史&ポールウォーキング」というイベント。
あいにくの天気にもかかわらず、大勢の皆さんにご参加頂きました。

0608polewalk
前列左から3番目が山崎洋子さん、その隣の隣がワタクシです。

もともと私はノルディックウォーキングを趣味としているのですが、
全身運動をしながら、ほどよいスピードで街歩きが楽しめる
このスポーツは、年齢に関係なく若者からシニアまで参加できます。
参加者も、若者から上は87歳!まで、
まさに老若男女のだんごコミュニティとなりました。

やって良かった~、とつくづく感じたのは、
読者の皆さんとリアルに交流できたこと。
さすがに皆さん積極的で、街歩きの際にはいつの間にか
皆さんのほうが講師として解説してしまうほど。
知識も経験も豊富で逆にこちらが、教わることが多かったくらい。
参加者同士の交流も行われて、次はどこを歩こう?
などと、サークル感覚の盛り上がりも。

これまで雑誌は、誌面を通して一方通行の情報発信をするものでしたが
これからは、まちや書店も「メディア」となる時代なんです。
リアルな場所を通して、双方向の交流を生み出すことも、
私たち、作り手が考えていかなくちゃ、と思うのです。

だんごコミュニティのススメ

「コトレシピ」春号 no3. ライフスタイル版の特集は、
「だんごコミュニティのススメ」でした。

だんご? え、何それ?

と思うなかれ・・・想像してみてください。
串に刺さった、おだんごのカタチ。
団子3兄弟のごとく、なんだか片寄せあって仲良さげでしょ?

これからは、老いも若きも、男も女も、
世代を超えて縦につながりあえるコミュニティが
大切なんじゃないかと思うのです。
私にも年上の“友人”と呼べる素敵な大人たちがいますが、
いつも彼女、彼らからは、たくさんの刺激を受けています。
そして世代を超えたコミュニティのなかで、
知見を分け与えてくれる年輩者たちは、いつも若々しく元気!

多様な世代と交流することで、互いに刺激しあい、支えあい、
アクティブに今を楽しめる“だんご社会”、
これからの高齢化社会には、そんな異世代交流の場が必要だと思うのです。

koto3 cover

というわけで「コトレシピ」のうち、
私が編集長を務めるライフスタイル版の分冊では
「だんごコミュニティ」のいろんなカタチをご紹介しました。
(書店売り版では、合本として入っています)

 

取材にご協力頂いた皆様、ありがとうございました!
表紙撮影にご協力くださったのは、トライアスロンの名門、
稲毛インターナショナルトライアスロンクラブの皆さま。
下から小坂さとみさん、千葉大会で世代優勝を果たした私の友人。
そして主婦アスリートの水戸しのぶさん、
パラトライアスロン選手の秦由加子さん。
とっても素敵なだんごコミュニティの皆さんでした。

 

コトレシピ春号「ラクになる夫婦関係」

夫婦関係って、すごく身近なことだけれど

なぜか一般誌で取り上げられることって少ないですよね。

婦人公論みたいな深刻なことじゃなく、

もっと身近な毎日の暮らしのなかでのちょっとしたこと。

仕事や家事もこなしながら、

自分の好きなこと、夫や家族の世話を両立させるにはどうすればいい?

そんな「ラクになる夫婦関係」について

いろんな女性たちの話を聞きたい!と思い

雑誌『コトレシピ』で特集しました。

女性の時代とか、世間ではいろいろ言われるようになったけれど

そうやって女性がいきいき過ごせるのも、

家族や夫がちゃんと見守ってくれるからこそ。

頑張り過ぎずに、ラクに夫婦関係をこなすための秘訣や、

シニア世代の女性たちの、定年後の夫との過ごし方について

私が編集長を務める

『コトレシピ ライフスタイル版』でご紹介しました。
(こちらは、やずや顧客限定冊子)

書店売り『コトレシピ』にもダイジェスト版が掲載されています。

ぜひ一緒に考えてみてください。

IMG_0599kotorecipe上はやずや顧客クラブ向け冊子、下は書店売り合本

ローフット・フードが世界を変える。


ローフット・フードって知っていますか?

Low Footprinted Foodの略で、地球への環境負荷と食との関係を

もっと多くの人たちに知ってもらいたくて、この呼び名を考案しました。

CO2排出=カーボンフットプリント、

水消費=ウォーターフットプリントの値が少ない食材、または調理法を

一般消費者にもっと知ってもらうための、新しい試みを

H24年度から神奈川県の協力を得てスタート。

2年目となるH25年度は、神奈川県の委託により

ローフット・フード講座の開催、小冊子の作成を行ってきました。

 lowfoot001

私が主宰する(一社)スマート・ウィメンズ・コミュニティの企画・主催、

専門的なデータや調査については、東京都市大学 伊坪徳宏研究室に

ご協力・指導して頂き、伊坪先生はじめ学生の皆さんと一緒に遂行!

LCAに関しては第一線で活躍されている

伊坪先生にご指導頂けたことは、本当に大きな刺激になり

ひたむきに頑張る学生さんたちとのセッションも得難い経験となりました。

lowfoot food stuffs
12/7開催のローフット・フード講座スタッフ集合写真。
前列中央左は、講座のレシピを監修してくださった横田美宝子さん、調理アシスタントの田中さん(中央右)。横田さんの隣が私。後列と田中さん隣は伊坪ゼミの学生さんたち。そしてスマート・ウィメンズ・コミュニティのメンバー中島まゆみ(左端)、山内マヤコ(右端)。

世間ではオープンデータの活用が話題となっていますが、

今回の取り組みはまさに、大学の膨大な量のオープンデータを活用し、

暮らしに役立つ、消費者のための取り組みができた好例ではないかと。

すでにあるウォーターフットプリントのデータを

もっとわかりやすく消費者に伝えるため、今回チャレンジしたのは、

すべてキッチンの単位に置き換え計算すること。

たとえば菜種油なら、大さじ1杯で4Lのウォーターフットプリント・・・という具合。

これを一般的な食材、加工食品50品目において計算し、一覧表を作成しました。

これを活用すれば、日々の献立を考える際にも、

ちょっと環境負荷を意識して、食材や調味料を工夫することが、

地球環境を守る一歩となるかもしれません。

消費者庁が今年のテーマとしている「消費者市民社会の形成」も、

日常の身近なひとコマが、いくつも重なり合って作られていくもの。

そんな願いをこめて続けてきた私たちの活動が、

H25年度の全国消費者フォーラムのテーマの一つに選ばれました!

この活動、「ローフット・フード」が全国の消費者に伝わりますように。

  lowfoot food kouzaDSC_0053

暮らしを見つめて。『コトレシピ』創刊


第二の人生、私らしい暮らし—–

そんな大人の女性の生き方を、ずっと追い求めてきたこの夏。

やっと新雑誌『コトレシピ』として創刊しました。

某通販会社との連携により、50万部の固定読者を含む65万部! 

という一大プロジェクト。

旅行やカルチャーなどカテゴリー別に5冊が1セット、

というユニークな形態の雑誌で

私はライフスタイル版の編集長を務めました。

 コトレシピ

そこにあるのは、今だからこそ伝えたいこと。

価値観が変化したいま、本当に大切なものは何だろう?

自然の恵みのありがたさや、

家族と一緒にご飯を食べるささやかな幸せ、

世代を超えて、みんなが協力し合えるコミュニティの楽しさ、

そんなちょっと昔の日本では当たり前だった暮らし方を

もう一度、振り返りつつ今の暮らしに活かせるような

提案をしていきたいと思っています。

それは例えば、親しい人や家族、先輩に

メッセージを届けるような

親密な気持ち。

まだまだ試行錯誤だらけで、誌面も創刊号というより

“ゼロ号”という感じですが

いろんな読者が気軽に参加できるコミュニティのような雑誌に

なるといいな、と思っています。

スタッフもさまざまなキャリアの個性的な女性たちが参加して、

それぞれの生活感を活かした

リアルに共感できる生活者目線のメディアになりました。

ぜひ書店等で見かけたら、手に取ってみて頂きたい雑誌です。

拝啓、Giugiaro sama

カーデザイン界の神、ジウジアーロさま。
いきたデザイン哲学を聞かせてくださり、ありがとうございました。

フォルクスワーゲンの新しいゴルフ発表会
のために5月に来日したジウジアーロは、
きっと歴史に残るような名言の数々を残してくれました。
最近になって、また読み返したくなったのでメモ。

これからの時代の美しさについて考えるとき、

私たちは文化的側面をも考えていかなければならないでしょう。

単なる自己満足では、視覚の汚染になりか ねません。

街の建物や景観などは、きちんと計画されて作られたものが美しい。

一方でクルマにおける美とは断片的なもの、ミリ単位で配慮していかなければい けません。

私たちは、単にうわべだけの美しさ、カッコよさを求めちゃダメで、
文化として人々に伝わるものをのこしていかないと、ですね。
それはクルマだけじゃなく、言葉も行動も、創造するすべてで。

Giugiaro & me

Japan Times for Womenから

 

 

日本女性のグローバル化、すでに始まっています。

アジアはじめ海外で活躍する女性たちの言葉を耳にすると、

いろんな気づきに出会います。

先日発行された『The Japan Times for Women』では、

子供たちのグローバル感覚を養おうという、女性にインタビュー。

少子高齢化の日本では、

広い視野をもって海外の人たちとも協調することが大事だなぁ、

と改めていろいろ考えさせられました。

でも大事なのは語学よりも、目的や情熱。

これから頑張る若い人たちには、ココロのグローバル感覚を鍛えて!

というメッセージが伝わるように書かせて頂きました。

 

the japan times for women

With Global Women

いま、アジア、アフリカの女性たちが考えていること、感じていること。

どれくらい日本の私たちは知っていただろう?

先週、JICA研修に参加する機会を得て、あらためて気づいた

いくつかのこと。

 jica yokohama1

JICA横浜ではアジア、アフリカからの研修者に混じって、

一般市民オブザーバーとして参加させて頂いた。

「ジェンダー自立」「農村の村民参加型開発」という使命を負った彼らの思いを、

間近に感じながらも、国境を越えて楽しく過ごした数日間。

 

jica yokohama2興味深かったのは、cause & effect tree というダイアグラム。

貧困など、さまざまなissueに関して、そのルーツ(根)を探り、

その影響(果実)を追求すると、1本の樹となってつながって理解できる・・・というもの。

そこで多くの国がissueとして挙げたのが「貧困」、

だけどその根には、Colonialismがあって、果実にはWarがあるというアフリカや

easy believeな純粋さ、lazyさを根に持ち、資源のdepleteをもたらすタイなど

研修生たちの冷静な自国分析に、はっとさせられた。

 

そんな彼らと横浜みなとみらいを歩きながら観察したときのこと。

この街の開発の余地は何か? というのが課題だったのだけれど、

「うーん・・・、もう十分じゃない?」

ラオスやミャンマーの研修生が首をかしげていた。

確かに比べてしまえばそうだよね。

私たちはつい自国を基準にしてしまいがちだけど、

世界には、まったく違う見方があるということもシンプルな気づきだった。

 

たくさんの気づきをくれた出会いに感謝します。

最終日は、アフリカのキュートな研修生と一緒に、フェアウェルソング&ダンス!

イエスタデイを替え歌にした、彼女の詩に思わず涙しつつ・・・。

Hawaii、自然と調和した島のひみつ

先日、はじめてのハワイへ。

といっても観光ではなく、某カード会社さんのお仕事でしたが。

エメラルド色の海を間近に見ながら、海に入れたのはわずか3分!

という強行スケジュールでしたが、仕事だからこそ出会った人や場所は

今回のハワイでの収穫となりました。

 

まず、今回のハワイで知ったのは、

徹底した地産地消主義。

どこのレストランへ行ってもこの言葉を聞きました。

パシフィック・リム・キュイジーヌを島に広めたといわれるロイズでは、

ハワイ産の野菜、ハーブや魚介類にこだわり、

まず島の生産者を育てることから始めたといいます。

今では、ハワイでポピュラーとなった

パシフィック・リム・キュイジーヌも、

そんな食のクリエイターの努力があったからこそ。

おいしさの追求が、島おこしにもつながっているんですね。

 

でも意外だったのは、肉だけはアメリカ産ということ。

なぜかというと、ハワイには屠殺場がないというのが理由。

宗教上の理由から、殺生を行わないというのもハワイらしいですね。

ウルポ・ヘイアウにはお供えが

そして一般観光客にあまり知られていないという

オアフ島最古の神殿、ウルポ・ヘイアウにも立ち寄りました。

王族たちの出産の場所だったという石積の聖地。

石や木に神が宿るという多神教的な感覚は、日本にも似てますね。

そういう古来の感覚は、

いまも自然と調和した暮らしとなっているのでしょうか。

青空に向かって積み上げられた無数の石の山を見ていると、

その昔、人々は祈りをこめてこれを築いたんだなと、何か尊い気持ちになります。

 

「ここはハワイの人にとって神聖な場所だから、お尻を向けちゃダメよ」

とコーディネーターさんに言われて、ここを立ち去るときは

みんなで後ろ歩き・・・。楽しく不思議な光景でした。