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Dec. 2016

Other Voices, Other rooms behind the Trump

文学好き、カポーティ好きなもので。
カポーティの小説を通して
トランプ現象について考えてみました。
大学のための文学レポート。

「トランプの裏にひそむ、『遠い声 遠い部屋』の叫び」

2016年11月に行われたアメリカ大統領選挙。ドナルド・トランプの勝利に世界は驚きを隠せなかった。アメリカ主要メディアをはじめ世界の大勢は、差別主義者といわれるトランプの劣勢を予想していただけに、想定外の出来事として報じられた。

しかし、本当にそうだろうか?

私たちは、世界は、アメリカの声なき人々から、あまりにも遠ざかっていたのではないか?トランプを支持したのは「声なき中間層」、サイレントマジョリティと言われる。いわゆる白人の貧困層で、アメリカ中西部、南部には、白人の貧困層が数多く存在し、彼らはトランプを熱烈に支持したと報じられている。

そこでアメリカ南部の静かなるマジョリティとは何なのか、その根源にある精神を文学から探ってみたい。本論は、南部で幼少期を過ごしたトルーマン・カポーティの自伝的作品ともいわれる『遠い声 遠い部屋』に、その解を求めるものである。

(c)denisbin/Flickr https://www.flickr.com

陸の孤島、ヌーン・シティと南部構造

まず、南部の人々の精神を知るには、その場所について把握する必要がある。『遠い声 遠い部屋』の作品の舞台となるのは、南部の架空の町、ヌーン・シティである。作品の冒頭の3行に、陸の孤島ともいえるこの町の閉塞感が凝縮されている。

“ヌーン・シティへ行こうと思う旅行者は、今のところ何とか自分で方法を講ずるより他に手がない。バスも汽車もその方角へは通じていない。もっとも隣町のパラダイス・チャペルへは、週に6日、チャペリイ・テレビン油会社のトラックが郵便物の受取りと物資の補給に来ている。”

交通の不便極まりない場所でありながら、教会へは何とか通うことができる。閉塞感から抜け出す道は、神に通じるという構造がうかがえる。日常にしばしば「教会」が登場する信仰の深さは、南部の精神を語る上では欠かすことができない。

「神は汝に才能を与え賜うとき、汝自身をうつための鞭も同時に与え賜う」(トルーマン・カポーティ インタビュー*1)とカポーティ自身が語っているように、閉塞感と、そこに救いを求めるための信仰は背中合わせに存在している。

続きはこちら ⇒ Other Voices, Other rooms behind the Trump_Ver2

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