「ecology」カテゴリーアーカイブ

余白という、住まい方

11/21からスタートした「スマートな住まい・住まい方カフェ」に

私もコーディネーターとして参加、

講師と参加者とをつなぎながら

一緒に住まい、住まい方、そしてまちのことなど、考えています。

第1回目のカフェで印象的だったのは、

「余白を残した家をつくる」ということ。

余白によって、そこに住まう人が主体的に空間を作っていくことができる

というお話は、これからの新しい住まい方の一例を示しているように思えました。

モノよりコト、ひとが大事であるということ。

それは家だけじゃなく、まちづくりでも同じことがいえそうです。

くわしくはこちらの第1回目のレポートで。

「住宅は、住むための道具である」——–まるでコルビュジェのモダニズムに疑問を投げかけるかのように、これからの時代の“住まい方”の新しい キーワードを導き出した第一回目の「スマートな住まい・住まい方カフェ」。講師には内山博文さん(株式会社リビタ)を迎え、革新的なリノベーションを手が けてきたこれまでの住まい提案と、これからのまちづくりについてお話を伺いました。

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今後、2015年2月まで全5回の講座が開かれる予定です。

ぜひご参加ください。

スマートな住まい・住まい方カフェ
主催:株式会社テレビ神奈川/横浜市

消費者教育シンポジウム

11/21神奈川県主催の消費者教育シンポジウムにパネリストとして登壇。

テーマは、消費者市民社会〜地域からの発信。

消費者市民社会というのは、

最近よく使われるようになった比較的新しいキーワードですが、

私たち市民が、主体的に行動しながら

持続可能な社会を作っていきましょうという提言です。

私がお話ししたのは、3年前から取り組んできた

「ローフットフード」の普及啓発事業について。

東京都市大学 伊坪徳宏研究室の学生さん達と活動を続けてきましたが、

LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から、

食を見直し、環境負荷を減らそうという試み。

というと何だか難しそうですが、簡単に言うと、普段食べてる食材から、

資源の無駄、エネルギーの無駄(CO2削減)をなくそうということです。

Shouhi Symposiums

とくに水資源は、地球規模で考えなければいけない課題で

水の豊かな日本では、なかなか意識することは難しいかもしれませんが、

一人ひとりが家庭でできる、小さな行動が、地球の環境にもつながっている

ということをまず理解してもらうことが大事だと思っています。

海外、なかでも米国は、市民の側の意識も高く、企業の環境への取組みが

直接消費者の購買につながるため、情報開示も徹底しています。

日本の場合、情報開示が非常に遅れていて、それが良くも悪くも作用しています。

あるグローバルチェーンは、米国では情報開示をしていても、

日本ではNGという不思議な現象が起きていました。

(その後、大きな問題が起きて情報開示するようになりましたが・・・)

そうした状況が変わるためにも、

私たちはかしこい消費者となることが必要です。

また、今後グローバルに日本の食が注目され、発展するためにも

情報開示はきちんと行われていくべき、と願います。

神奈川は食に関しては消費地であると同時に生産地でもあります。

だからこそ、私たちが主体的に発信、行動すべきことも大事なんです。

かながわの消費 ニャン吉

 

 

 

 

 

 

ローフット・フードが世界を変える。


ローフット・フードって知っていますか?

Low Footprinted Foodの略で、地球への環境負荷と食との関係を

もっと多くの人たちに知ってもらいたくて、この呼び名を考案しました。

CO2排出=カーボンフットプリント、

水消費=ウォーターフットプリントの値が少ない食材、または調理法を

一般消費者にもっと知ってもらうための、新しい試みを

H24年度から神奈川県の協力を得てスタート。

2年目となるH25年度は、神奈川県の委託により

ローフット・フード講座の開催、小冊子の作成を行ってきました。

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私が主宰する(一社)スマート・ウィメンズ・コミュニティの企画・主催、

専門的なデータや調査については、東京都市大学 伊坪徳宏研究室に

ご協力・指導して頂き、伊坪先生はじめ学生の皆さんと一緒に遂行!

LCAに関しては第一線で活躍されている

伊坪先生にご指導頂けたことは、本当に大きな刺激になり

ひたむきに頑張る学生さんたちとのセッションも得難い経験となりました。

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12/7開催のローフット・フード講座スタッフ集合写真。
前列中央左は、講座のレシピを監修してくださった横田美宝子さん、調理アシスタントの田中さん(中央右)。横田さんの隣が私。後列と田中さん隣は伊坪ゼミの学生さんたち。そしてスマート・ウィメンズ・コミュニティのメンバー中島まゆみ(左端)、山内マヤコ(右端)。

世間ではオープンデータの活用が話題となっていますが、

今回の取り組みはまさに、大学の膨大な量のオープンデータを活用し、

暮らしに役立つ、消費者のための取り組みができた好例ではないかと。

すでにあるウォーターフットプリントのデータを

もっとわかりやすく消費者に伝えるため、今回チャレンジしたのは、

すべてキッチンの単位に置き換え計算すること。

たとえば菜種油なら、大さじ1杯で4Lのウォーターフットプリント・・・という具合。

これを一般的な食材、加工食品50品目において計算し、一覧表を作成しました。

これを活用すれば、日々の献立を考える際にも、

ちょっと環境負荷を意識して、食材や調味料を工夫することが、

地球環境を守る一歩となるかもしれません。

消費者庁が今年のテーマとしている「消費者市民社会の形成」も、

日常の身近なひとコマが、いくつも重なり合って作られていくもの。

そんな願いをこめて続けてきた私たちの活動が、

H25年度の全国消費者フォーラムのテーマの一つに選ばれました!

この活動、「ローフット・フード」が全国の消費者に伝わりますように。

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セヴァン・スズキの20年後に。

以前取材した「ルイ・ヴィトンの森にて。」という

坂本龍一さんのインタビュー記事が、Web GoetheにもUPされました。

これは雑誌『ゲーテ』用に書いたもの。

 

この時、坂本さんのコメントを聴きながら

インタビューを原稿に書き起こしている際に

ふと思い浮かんだのが、セヴァン・スズキの言葉でした。

「人類、そして3000万種の生物からなる

地球の家族の未来のために、

メイク・ユア・アクション、行動せよ」

20年前、リオで開かれた環境サミットで、

12歳の少女が感じるままにストレートに訴えたスピーチは、

いま振り返ってみるとまるで予言のように、

私たちに疑問を投げかけていて、ドキっとさせられます。

 

———以下、スピーチ引用。

(前略)今日の私の話には、ウラもオモテもありません。なぜって、私が環境運動をしているのは、私自身の未来のため。 自分の未来を失うことは、選挙で負けたり、株で損したりするのとはわけがちがうんですから。(中略)

私の世代には、夢があります。いつか野生の動物たちの群れや、たくさんの鳥や蝶が舞うジャングルを見ることです。 でも私の子どもたちの世代は、もうそんな夢をもつこともできなくなるのではないか? あなたがたは、私ぐらいのとしの時に、そんなことを心配したことがありますか。

こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。 まだ子どもの私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきりわかりません。でも、あなたがた大人にも知ってほしいんです。 あなたがたもよい解決法なんてもっていないっていうことを。オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。 死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。 そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのかあなたは知らないでしょう。

どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。

 

ここでは、あなたがたは政府とか企業とか団体とかの代表でしょう。あるいは、報道関係者か政治家かもしれない。 でもほんとうは、あなたがたもだれかの母親であり、父親であり、姉妹であり、兄弟であり、おばであり、おじなんです。 そしてあなたがたのだれもが、だれかの子どもなんです

———————————-(後略)

いま、一つ一つの言葉が、日本の私たちに突き刺さります。

あれから20年後、私たちは何か進歩できた?

せめていま目の前にある選択から、make action、

ちゃんと考えて行動しなければと思うのです。

関連 記事掲載:

Web Goethe ルイ・ヴィトンの森にて。