カルティエの秋冬新作発表会が、ひと足早くプレス向けに行われた。
気になったのは、アイコンウォッチ、バロン ブルーの新色だ。
2010年の新色モデルはブラウンダイヤル×ピンクゴールド。
そういえば今年の新作、カリブルにも同色のモデルがあったよね? と見比べてみたが、ボリューム感のある個性的なカリブルに比べて、バロン ブルーはスマートさゆえ、落ち着きのあるエレガント感が引き立つ。
でもカリブルもバロン ブルーも、ゴールド使いの上級モデルになぜブラウンダイヤルが採用されるのか? ちょっと考えてみた。単に好みの問題、というだけではないヒエラルキーがそこにあるようにも感じられるのだ。
白や黒の文字盤に比べて、ブラウン文字盤は身に着ける人の嗜好性が強く反映される。たとえばファーストカルティエに茶色はあり得ないだろうし、ビジネス使いを考えると、躊躇してしまう人もいるかもしれない。そう考えるとブラウン文字盤というのは、
それを“選ぶことができる人”の特権カラーにも思えてくる。
すでに定番ウォッチをいくつか所有し、ビジネスまたはプライベートで個性を発揮することにも気を使う、ある階級に属した人たち。そういう人たちのための優越カラーなんじゃないか。
ファッションだったら、色による意識差はこれほどじゃない。けれどもシャツやタイの色を選ぶように、時計を選ぶことはできない。
時計ならではの偏色のヒエラルキー。
そう思って見ると、文字盤のカラーもまた奥深い。
詳細はまた後日レポート。