かつてない非常事態を経験した今、
毎シーズン変化するトレンドを追いかけることに
どれだけの意味があるんだろう・・・? と、正直戸惑っていました。
深い、無常観。
それでも今回、秋冬コレクションの展示会を巡っているうちに、
ある発見に出会いました。
人類の文明への回帰。
私たち人類が、文明を育んできたことへの喜び、その美しさを、
デザイナーたちは再発見したかのよう。
なかでも興味深かったのは、
ビザンチン文化を表現したシャネルや
ローマ文明を見つめ直したブルガリ。
ビザンチン調の工芸アクセサリーや、
ゴールド、ブルー&グリーンの美しさで異次元に誘うシャネル。
ローマ時代の再生のシンボルとして愛された蛇や、
強さの象徴、ライオンのモチーフを取り入れたブルガリ。
たとえ今、私たちが原発という文明の怪物に脅かされていようとも、
恐ろしい憎悪を感じようとも、
一方では、人類は、この上なく美しい文明を育んできた歴史がある。
そんなことを、つれづれに・・・。
シャネルのパリ-ビザンスコレクション記事はこちら
http://woman.excite.co.jp/garbo/concierge/rid_29661/
※ただしそれぞれのコレクションは3・11以前に本国で発表されたものです。