6月27日、東京都・三菱総合研究所で「第1回 ヨコハマ ブルーカーボン アカデミー セミナー」が開催されました。このセミナーでは、ブルーカーボンから海を総合的に研究し、あわせて海の“源”である山や川との連携も追求していきます。第1回セミナーでは、「ブルーカーボンって何?」をテーマに講義が行われました。
セミナーでは、海から都市と環境を考える各界の専門家たちが毎回登壇し、私たちに問題提起を促しながら、さまざまな意見を交わします。
後半では、講師たちのパネルディスカッションも行われます。
私は、コーディネーターとしてお手伝いさせて頂きました。
まず地球温暖化の影響は、海にも及んでいるということを、話し合いました。私たちは温暖化対策というと、森林によるCO2吸収=グリーンカーボンにばかり目がいきがちですが、実は海にも相当量のCO2が吸収されています。
「海は二酸化炭素の約3割を吸収しますが、それによって実は海が酸性化してしまうという問題もあります」と東京海洋大学の刑部真弘先生。
酸性化によって、珊瑚の減少による生態系の変化など、海へ悪影響を及ぼすことも予測されています。そうしたなか、進められているのが、八景島シーパラダイスと横浜市の恊働による、海藻の育成や海育プログラムです。同社の蓑内真吾さんは「海の干潟や海草を活用して、二酸化炭素を循環させる仕組みをつくることが大切。それらを見える化する場所として水族館などを使って欲しい」と主張。
ただし、現時点ではアマモなどの海草類によるCO2吸収量は、数値化、クレジット化はまだ難しいという課題があります。
「まずは自治体単位でそれを地域活性化に活かすことに意義があると思うのです。それで地域経済が回っていくことが、第一歩となるのでは」
本事業の実行委員長でもある刑部先生は、そんなふうに事業への意欲を語りました。
まずは温暖化と海の影響に、私たちが危機感を持って目を向けること。海洋国家日本、そして港湾都市横浜だからこそ、できることがあります。まずは地域の身近なことから始めてみよう、という問題提起となった第1回目でした。