「forest」カテゴリーアーカイブ

ITADAKI-MASU

夏休みの終わりに、
山梨県道志村の養老の森で
「命をいただくということ
猟師さんと歩く森学」を開催。

deer_hunting

水資源保全協議会主催の
このイベントは、
都市と里山をつなぐことをテーマに
横浜市民の水源の森、道志村を
もっと楽しもうというところから
生まれたもの。

私は食育担当として協力し
猟師さんのおすそ分けの
鹿肉カレーを食べて
森で、猟師さんから
森と動物の話を聞こうという
プログラムを企画しました。

この日は養老孟司氏の
講演もあったせいか、
台風前日の荒天にも関わらず
大勢の親子が参加!

deer2でも、なぜ鹿肉?
かといえば、いま日本の森では
鹿が増えすぎて森や畑が荒廃する
ということが起きています。

「昔は、この辺は雪深くて
鹿もそれほど多くなかった。
でも温暖化のせいか温かくなって、
冬を越せるようになったかもしれねぇな」

地元の猟師さんが教えてくれました。
また全国で猟師人口が激減したり
植生が変化したのも理由のようです。

でも、もともと森は動物たちのすみか、
害獣って呼ぶのはどうかな?
と、ふつふつしていると

「昔から、鹿は山の神様の分け前
っていって感謝の儀式があるさぁ」
と猟師さん。

普段、私たちは機械化された
スーパーの肉を食べ、
いつのまにかそういう
「自然への感謝」を
忘れている気がします。
昔の日本人は、里山暮らしをしながら
狩りをし、自然と共存してきたわけです。

「命をいただく」って何だろう?

その意義を考えていた時に
ある言葉に出会いました。

故宿人身
同証仏果

命尽きた生き物はそれが因縁ゆえ、
(食べられて)人間の身になることで、
人と同化し成仏することができる・・・
という意味の諏訪大社の勘文。

諏訪大社では、狩猟神にあやかって
鹿肉を食べる免罪符を発行していたそうで
そこにこの言葉が書かれているそうな。

また、鹿肉は牛、豚肉に比べても
鉄分、たんぱく質が多く
まさに私たちの血、肉となる食べ物。

そんな話をあれこれしながら
みんなで頂いた鹿肉カレーは、
格別の美味しさでした!

そして思いのほか、子どもたちの
理解力がしっかりしていて
「うん、わかる!」的な反応。
森好きの子どもたちは、頼もしい〜。
また参加者からは
「若い人も、もっと森で猟をしたいと
思うようになれば森の保全に役立つよね」
「鹿肉、意外と柔らかくて美味しい」
などの意見も頂き、うれしい一日でした♡

 

 

 

 

 

『こどもみどりアップQ』

森はなぜ大切なの?

森がないとどうなるの?

税金て何?

なんで森のためにお金を払うの?

そんな子どもたちのギモンに答える、
『こどもみどりアップQ』
できました。

私が委員を務める
横浜市みどりアップ計画
市民推進会議
広報部のみんなと
職員の皆さんとで
「子どもにお金の話って、
どうしたら伝わるかな?」
と悩みながら
一緒に作った別冊版。

下記からダウンロードできます。

『子どもみどりアップQ』
A3裏表印刷 四つ折り
mm-midoriupq-kodomo

里山×都市、水でつながる私たち

私たちが毎日飲む水は
どこから来るのでしょう?

水道の蛇口のその向こう、
ずっとずっと辿っていけば、
水源の森があります。

SONY DSC

山梨県道志村での森林保全活動、
「私たちの水源、木こりワーク」は、
都会に住む私たちも、
水源の森に感謝して
森を元気にするお手伝いをしましょう、
という気持からはじめたもの。

4年目!となる今年の第一弾、
9月27日には、私たちの団体
スマート・ウィメンズ・コミュニティと、
BESSフォレストクラブさんとの恊働で
楽しいワークショップを開催♪

ノコギリ片手に間伐作業をしたり、
猟師さんのお裾分けの鹿肉で
カレーを作って食べたり。
参加者みんなで、都市×里山交流の
これからについて意見交換したり。

kikori_works1 かつては鬱蒼と暗かった
道志村の水源林も、
今はここへ来るボランティアが急増し
間伐作業も進んだようで
太陽が差し込む明るい森に
変化しつつあります。
ただし森全体を変えるのはまだまだ
気の遠くなるような作業です。

それでも意義があると思うのは、
ボランティアが活発になることで
村おこし協力隊の若者や来村者が増え
過疎化している里山が、
少し、活気づいてきたこと。

都会にいたら気づかないけれど、
源流をたどっていくと気づく大切なこと。
都市×里山のつながり、
これからも大事にしていきたいものです。

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山梨にて

木こり女子の活動報告のため、
山梨県主催の「森ガール・木質バイオマスフェア」に
講演者として参加しました。

山梨県では、豊富な森林資源を活かして、
木質バイオマスの推進が進んでいます。

今年は、木質バイオマス元年とでもいうべき、
大きなプロジェクトが全国で進んでいるそうですが、
利益追求型の大型プロジェクトの場合、
持続可能な木材調達を前提としなければ難しいだろう、
という現状解説のお話がとても印象的でした。

木材の利活用はどんどん進めて欲しいけれど、
無計画に進められるのはいかがなものか、と。

そんななか、私は地域活性のための
女性ボランティアの活かし方について、お話させて頂きました。
木こり女子の活動は、まず都会と水源の森のつながりを、
より多くの人に知ってもらい、地域に足を運んでもらうこと。
そして森の現状を理解したうえで、
問題意識を持って、生活を見直してもらうこと。

また森のボランティア活動を、地域資源の一つとしてとらえたら、
都会から若い人たちを呼び込むきっかけにもなる。
そうしたお話をもとに、さまざまな方と意見交換できたのも収穫でした。

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里山資本は、甘い?苦い?

道志村で続けてきた“木こりツアー”も今年で4年目。
この6月まで、国土緑化推進機構 緑の募金事業により推進してきましたが
今回は森の間伐と同時に、山の植物の多様性を探る
“野草狩り”をスマート・ウィメンズ・コミュニティ主催で6月に行いました。

わらび、山ぶき、サンショウ、シソ、よもぎ、ウド…etc.
ほんの1時間の間に、こんなにも! というくらい
たくさんの野草たちに遭遇。
とくにわらびは、見事なほど群生していました。

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4年前、森を訪れたときは下草も生えないような場所でしたが、
ボランティアの間伐と手入れによって、
こんなにも豊かになった、ということを実感。

試しにわらびをとったその場でかじってみると、
甘くてびっくり!
通常、わらびなどの山菜はアク抜きをしないと渋くて食べられませんが、
野生のとれたてわらびはこんなにも甘いのか、と。

その昔、里山で暮らしてきた日本人は、
こんなふうに森の恵みを暮らしに取り入れてきたんだなぁ、と
里山の豊かさを、改めて知るきっかけにもなりました。

世間では「里山資本主義」などと話題になっていますが
その資本である、森の恵みをこれからも絶やさないためにも、
まずは森の大切さと楽しさを、たくさんの人に知って欲しいものです。
今はボランティアに頼るしかない道志村の森林保全ですが、
もっと多くの人が興味を持つことで山が元気になるといいな、と思うのです。

次回は秋に開催予定。お楽しみに。

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