6月26日にパシフィコ横浜で行われたダライ・ラマ来日講演に行ってきました。
これまでも著作を拝見し、ダライ・ラマの平和に対する情熱と慈悲の精神に関心を持っていたのですが、念願かなって肉声を聞くことができました。
実際に講演を聞いてみて感じたのは、ダライ・ラマの主張は、想像していた以上にとてもグローバルで、ビジネスや生活にも応用できる実践的なものであるということ。
「ひと昔前までは、世界は私たちの国、あの人の国というように、国家がそれぞれ分離していた。私たち、彼らの間にバリアがあり、戦いが起きた。しかし現在、世界は相互関連の状況にある。互いに依存したって存在している。アメリカは大きなパワーを持ち(続く)アジアもアメリカの力を必要としている。一方でアメリカもまたアジアの国々の力を必要としている。私たちは他国に依存して自分たちを改善していくことができる。—-(中略)—–
いま、世界全体が一つとなっている。誰かが“私たち”というとき、そこには世界全体の国々が含まれる。私たち、彼ら、という隔たりのある考え方は、もはや時代遅れである。そしてリアリティと考え方の間にギャップがあってはいけない。私たちは一つなのである。—-(中略)—–世界の環境問題、経済の問題、いま抱えている問題も世界が一つとなって努力すれば、解決していくことができる」
ただしダライ・ラマによれば“依存”とは、“結果は原因に依存して生じる”という意味だそうです。だから他国に依存すると言う意味も、少し違うのでしょう。たとえば自動車でいうなら、日本が電気自動車を開発すれば、他国はその技術力によってCO2削減をすることができ、しいては北極の生態系も守られる・・・というようなことでしょうか。
また個人的には、世界を一つと考えるとき、インターネットメディアもささやかながらボーダーをなくす役目を果たしているのでは、と感じたのでした。
他にもいろいろ、興味深い話があったのですが、それはまたの機会に。
でも印象的だったのは、ダライ・ラマは意外とお茶目で人間味ある人柄であったこと。
たまにユーモアを交えて笑わせてくれたり。驚いたのは質疑応答のとき。悪意に満ちた活動家みたいな外国人の質問にも、嫌な顔一つせず真摯に、愛情深く応えていて、なんかいい人だなー、と思ったのでした。