日本橋をあちこち取材、
なかでも感激したのは
橋のたもとの船着場から
日本橋川〜隅田川〜東京湾へと
船でゆく日本橋クルーズ。
いくつも橋をくぐっていくうち
ビルの向こうにも
北斎が、広重が・・・、
絵に描いた賑わいが浮かぶよな、
浮世のいまむかしの
想像の旅が楽しめます。
「日本橋川が蛇行する角度は、
江戸城と富士山が
きれいに見える配慮だった」
「昔は川沿いに魚河岸が並んでた」、
なんてガイドさんの話をきくと
頭の中で浮世絵が風景と重なって。
けれども残念なのは、
橋の下から眺めたときに
空が見えないこと。
あの浮世絵ブルーはどこに?
首都高に挟まれて、
橋の上の麒麟も
なんだか飛べそうにない。
東京オリンピック前に
都市改造でドンと造られた
首都高は江戸東京のシンボルを
無惨にも縮こまらせています。
日本橋保存会では、
日本橋の空を取り戻すために
いろいろ活動しているそうです。
今度の東京オリンピックには
間に合いそうもないけれど
いつか、江戸東京の守護、
麒麟や獅子さんたちが、
のびのび空を見上げられる日が
くることを願いたいものです。
日本橋クルーズのコラムは
GQ9月号 別冊時計ガイドの
日本橋ガイドに掲載。