BankArt NYKで開催中の川俣正展へ。
川俣さんのインスタレーションは、
何か、ざらざらした記憶を呼び覚ますような、不思議な感触。
解体された廃材などを使った、木製パレットの山や、
バラック小屋みたいなものも、倉庫だったこの場所で見ると、
妙に馴染んで見えて、埠頭の作業場に来ているような錯覚に。
見捨てられ、やがて忘れ去られる廃材が、つかのま息を吹き返した場所。
そこは、しんと静かであたたかい。
少々、ぎこちないバランスは今にも動きだしそうな野生味となって。
Expandというテーマどおり、
この場所、この空間にある地霊のような気配が、
作家のインスピレーションとともに、拡張されていくのかもしれない。
2階、3階のフロアは、まだ作りかけのがらん、とした空間だった。
このがらん、とした感覚も、なんだか日本的な気がして気持ちよかった。