東京都市大学 講演会、発見のたまご

東京都市大学で10月に開催された、
環境ISOフォーラムにて講演を行いました。

テーマは「見つめよう、明日の暮らし」。

これまで同大学の伊坪研究室の協力で進めてきた
ローフットフードの取組みを中心に、
世界の気候変動と食糧の未来や
フードロスの現状、
いま、私たちができることなど
お話させて頂きました。

とくに、フードロスの問題は、
世界の食糧生産の約1/3がムダに
捨てられているという現状から、
UNEPも熱心に普及啓発を行っています。
9月に行われた国連会議では、
牛の飼料用穀物を使った
ハンバーグが出たことも話題でした。

burger

そして盛り上がったのは、
学生たちとのディスカッション。
200人超の学生、一般の参加者も
ぐっと身近に感じられるユニークな試みでした。

「でも、お金がない僕が取り組むには
どうすればいいですか?」

どきっ。

そんな発言も、学生さんならでは。
自炊って本来は外食、中食よりも
経済的には低コストだと思うし、
ローフットフードは
環境を考えてリサイクル食材でも作れる、
でも、つくる術を知らなければ
なかなかできない…たしかに。

理想と現実のギャップのジレンマ、
みたいなことを感じつつ、
うっかり、卵かけご飯で
笑いをとってしまった。

これからは料理好きな人だけでなく、
若い人や、忙しい人たちにも向けた
エコな食材開発も必要かもしれない。
インスタント感覚で作れる
ローフットフードがあれば、
食の環境負荷はぐんと減らせるかも?

学生さんとの対話からもヒントを頂き
実りある講演会となりました。

みなさま、ありがとうございました。

 

自然との問答、つれづれ

高野山を歩いてきました。
今年、開創1200年を迎えた高野山は、
記念イベントも開かれ賑わっていましたが、
それとは対照的に、
かつて巡礼者たちが歩いた
登山道である、町石道は、
ひっそり静まり返って
あまり人とすれ違うこともなく。

ひとり、山歩きを楽しみました。
しん、とした山中には
樹齢数百年と思われる
杉の大木が林立し、
あちこちから湧き水が滴り、
あぁ、ここは昔から
水が豊かな場所だったんだ、と実感。
湿り気を帯びた森の空気は、
清らかな霊気となって肌を包みます。

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空海がこの地を選んだのは、
もしかしたらこの
水、木という豊かな資源に
ひかれたことも理由の一つなのかな?
なぜ、この山を選んだのかな?

重いリュックを背負って
息を切らしながら
ひとり問答を繰り返し
ゴールの大門へ。

昔ながらの道標が点在する
町石道は、哲学の道のように、
己と、自然と、
向き合って考える
そんな仕掛けが遺されていました。

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山登りってもともと
自分が無になれるもの、
そこに祈りが加わると
自分や、そこにあるものが
よーく見えるようになる。

そういう仕掛けを通して
昔の人たちは
気づきを得たかもしれないなぁ。

現代の私たちは「無」から
あまりにも遠ざかっていないか?

 

 

 

里山×都市、水でつながる私たち

私たちが毎日飲む水は
どこから来るのでしょう?

水道の蛇口のその向こう、
ずっとずっと辿っていけば、
水源の森があります。

SONY DSC

山梨県道志村での森林保全活動、
「私たちの水源、木こりワーク」は、
都会に住む私たちも、
水源の森に感謝して
森を元気にするお手伝いをしましょう、
という気持からはじめたもの。

4年目!となる今年の第一弾、
9月27日には、私たちの団体
スマート・ウィメンズ・コミュニティと、
BESSフォレストクラブさんとの恊働で
楽しいワークショップを開催♪

ノコギリ片手に間伐作業をしたり、
猟師さんのお裾分けの鹿肉で
カレーを作って食べたり。
参加者みんなで、都市×里山交流の
これからについて意見交換したり。

kikori_works1 かつては鬱蒼と暗かった
道志村の水源林も、
今はここへ来るボランティアが急増し
間伐作業も進んだようで
太陽が差し込む明るい森に
変化しつつあります。
ただし森全体を変えるのはまだまだ
気の遠くなるような作業です。

それでも意義があると思うのは、
ボランティアが活発になることで
村おこし協力隊の若者や来村者が増え
過疎化している里山が、
少し、活気づいてきたこと。

都会にいたら気づかないけれど、
源流をたどっていくと気づく大切なこと。
都市×里山のつながり、
これからも大事にしていきたいものです。

kikori_works2

森あそび、いま昔?

横浜は、都会でありながらも、
まだまだ豊かな緑が残されています。
みなとみらいのような高層ビルの街があるかと思えば、
野生動物たちの棲む森もある。
みどり税という、市民による環境税のおかげで
緑が守られているのです。

今日は横浜市みどりアップ市民推進会議の調査で、
上郷自然観察の森へ。

川の源流を観察している
子供たちにも遭遇しました。

きれいなせせらぎを見ると、
つい水に触れ、裸足で入りたい衝動に
かられてしまう、野生児魂のワタシ

ですが、今どきの子供たちは
そんなことはしないんですね。

最近、子供たちは泥んこになって遊ぶとか
裸足で野原を歩くとか、しない、させないそうです。
安全、保全のためとはいえ

なんか、かわいそう・・・、
と思ってしまうのはひと昔前の感覚なんでしょうか?

 

ミズスマシの池
ミズスマシの池 ここは立ち入り禁止でカワセミがくる場所

調査部会では、
「もっと子供たちに、のびのびと
自然に触れさせる教育の機会があるといいのでは」
と意見しました。

座長である、進士五十八先生も
「いま、子供たちは自然から遠ざかってはいないか?
学問中心も結構だが、自然の中で体験したことは、
得難い記憶となって、いつか自然と共存することの意義を
理解できる大人を育てるのではないか」
というようなお話をされていました。

子供たちが、昔のように土に触れ
虫と無邪気に遊べる自然学習が、
横浜でももっと増えるといいなぁ。

スタバに学ぶフォロワーシップ

いま、大学に通っています。
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科の
ソーシャルデザイン集中講座へ。

社会をデザインする、という
クリエイティブな発想に共感して
選んだ社会人講座です。

とくに刺激的だったのは
「フォロワーシップ」の組織論。

私たちは組織を考えるとき、
ついリーダーシップばかりに
目を向けてしまうけれど
実はよいリーダーを作るのは、
才あるフォロワーであるということに
改めて気づかされました。

「フォロワーがリーダーを選ぶ」

「リーダーとフォロワーは対等」

「最初のフォロワーの存在が、
一人のバカをリーダーへと変える」

リーダーとして団体に関わってきた私には、
まさに日々痛感してきたことだけに
感慨深い授業でした。

 

original starbucks logo(CC) Niall Kennedy

 

講師の梅本龍夫先生は、スターバックスジャパンの立ち上げ総責任者で、シアトルで3人の小さなコーヒー屋からスタートしたスタバの経営論を、当時のエピソードも交えて教えてくださいました。

スタバでは3人の創業者を、頭文字をとってH2Oと呼ぶそうですが、3人を喩えるなら、CEOのハワード・シュルツを参謀に、補佐、官僚の二人が支える組織が中心にあり、その三角形の黄金バランスが、スタバの経営を成功に導いたのだと。

みんなが力を発揮できる環境を作ること。
チーム力を強化するために、
リーダーがなすべきことに
改めて気づかされた講座でした。

IT×おじい・おばあちゃんのこれから

いま、暮らしの中でどんな問題が起きている?

今年も先日開かれた神奈川県消費生活審議会に
委員として参加してきました。

そこでわかったのは、高齢者のデジタルコンテンツ被害が
急増しているということ。
少し前までは、まだ高齢者にまで浸透していなかった
インターネットですが、時代の流れとともに
高齢者にも急速に広がっているということですね。

県内の67,000件の苦情相談のうち
デジタルコンテンツ被害がダントツトップで
2割を占めています。
また、高齢者のデジタルコンテンツ相談は
昨年に比べなんと8割増!! と急激に増加しました。

(cc) Paolo fefe

では、どうすれば?

高齢者からインターネットを奪うなんて、もはやできません。
むしろインターネットは、今後、高齢化社会において
重要な役割を担っていくことが期待されます。

わが家でも、高齢のおじいちゃんにiPadを渡して
顔を見ながらネットで会話し、
親族みんなで“見守りツール”として活用しています。

問題は、コンテンツだけを悪とするのではなく、
ネットに不慣れなユーザーリテラシーの低さを
今後、どう解消していくかということじゃないかと思うのです。高齢化が進むにつれてますます被害が増えることも予測されます。
今後は、たとえば健康指導をするような気軽さで
見守りツールとしてのITツールの使い方を
きちんと指導していく必要性があるのでは?
そのためには、縦割り行政でなく、
福祉と消費者センターとが一緒になって
解決策を考えていくことが求められます。

・・・というような意見を、委員会ではお話しました。

でも、もっといっちゃえば、高齢者福祉として
逆にITタブレットを配布して見守るくらいのことしないと
今後の高齢者社会を乗り切ることはできないんじゃ?
と思ったりするのです。

さてさて。どうなることか。

H26年度 神奈川県内における消費生活相談概要

 

 

What’s BLUE CARBON?

6月27日、東京都・三菱総合研究所で「第1回 ヨコハマ ブルーカーボン アカデミー セミナー」が開催されました。このセミナーでは、ブルーカーボンから海を総合的に研究し、あわせて海の“源”である山や川との連携も追求していきます。第1回セミナーでは、「ブルーカーボンって何?」をテーマに講義が行われました。

セミナーでは、海から都市と環境を考える各界の専門家たちが毎回登壇し、私たちに問題提起を促しながら、さまざまな意見を交わします。

後半では、講師たちのパネルディスカッションも行われます。
私は、コーディネーターとしてお手伝いさせて頂きました。

 

blue carbon panel
blue carbon panel

まず地球温暖化の影響は、海にも及んでいるということを、話し合いました。私たちは温暖化対策というと、森林によるCO2吸収=グリーンカーボンにばかり目がいきがちですが、実は海にも相当量のCO2が吸収されています。

「海は二酸化炭素の約3割を吸収しますが、それによって実は海が酸性化してしまうという問題もあります」と東京海洋大学の刑部真弘先生。

酸性化によって、珊瑚の減少による生態系の変化など、海へ悪影響を及ぼすことも予測されています。そうしたなか、進められているのが、八景島シーパラダイスと横浜市の恊働による、海藻の育成や海育プログラムです。同社の蓑内真吾さんは「海の干潟や海草を活用して、二酸化炭素を循環させる仕組みをつくることが大切。それらを見える化する場所として水族館などを使って欲しい」と主張。

ただし、現時点ではアマモなどの海草類によるCO2吸収量は、数値化、クレジット化はまだ難しいという課題があります。

「まずは自治体単位でそれを地域活性化に活かすことに意義があると思うのです。それで地域経済が回っていくことが、第一歩となるのでは」

本事業の実行委員長でもある刑部先生は、そんなふうに事業への意欲を語りました。

まずは温暖化と海の影響に、私たちが危機感を持って目を向けること。海洋国家日本、そして港湾都市横浜だからこそ、できることがあります。まずは地域の身近なことから始めてみよう、という問題提起となった第1回目でした。

LONGING CITY FARMER

6月21日に開催した「シティファーマーfes! たねまるしぇ」。横浜から地産地消を考え、身近な場所で野菜をつくる若手農家さんを応援しよう!というこの企画、生産者や食×農に興味ある方々など、いろんなひととの交流から、地域のつながりの種が生まれました!

モンベル リーフみなとみらい 2階モンベルサロンで開催されたトークイベント「シティファーマーfes!」。講師には話題の書『シティファーマー』翻訳者の白井和宏氏、ゲストスピーカーには横浜のブランド野菜「はざわ育ち」を手がける生産者、平本貴広氏を迎え、参加者とともに都市の農業のこれからを考えました。

 

city farmer1
city farmer1

前半の白井氏のお話では、主に書籍『シティファーマー』から、海外の事例を紹介頂きました。カナダ、カリフォルニアなど世界の都市では、市民主体の都市型農園が盛んとなり、それが地域課題を解決する手段にもなっていること。時にはスラム街の自立支援や、フードバンク的な福祉としても、市民農園が役立っていること。また、ロンドンでは屋上を活用した空中農園がビジネスモデルとして進められていたり、狭いアパートメントで利益を上げる人がいたり、つい見過ごしてしまいがちな場所を活用した、まさに隙間産業的なシティファームの事例の数々に、参加者たちも興味津々なのでした。

p117 ロンドン・垂直の菜園

『シティファーマー』より、ロンドン垂直の菜園

<以上スマート・ウィメンズ・コミュニティ レポートより>

なぜ私はこんなにも、畑に憧れるのでしょう?

野菜好き、というのもありますが、
やっぱり都会でマンション暮らしをしていると、
土への憧れがどんどん強くなっていく気がします。
なにか、感覚が乾いていってしまうような寂寞とした思い。

日本の食糧自給率は4割で、
かつ都市からどんどん畑が失われていくことの危機感がある

ことには違いないのですが、何か身体の感覚として、
無性に土への欲求がむくむくと大きくなって
行動せずにはいられない…。

私だけでなく、まわりの女性たちにも
そんな変化が起きているのを実感しています。

 

環境大臣賞@good life award

3月14日に行われた環境省主催グッドライフアワードにて、
私たちの取組みが、環境大臣賞特別賞を受賞しました!

「キッチンから資源節約を見える化、
ローフットフード」

3年前にスタートしたこの活動も
これを機に、もっと多くの人たちに浸透することを願います。

ローフットフードとは・・・

資源の無駄、エネルギーの浪費を押さえた
食材選びや調理法のこと。
CO2削減、水使用量削減を家庭で実践できる取組です。

チリもつもれば、じゃないけど、もし本当に
先進国のひとり一人が毎日
フットプリントを意識して暮らすようになれば
かなりのCO2&水削減になります。

これまでは、自動車、住宅、家電などの“モノ”を中心に
省エネの議論がされてきたけれど、

実は毎日の“食”も、地球環境にとっては
見逃せない落とし穴!なんです。

たとえば目の前のお皿にステーキ1枚(200g)、
ドンとあったとして、
それだけでも水1.1トン、CO2 1800gを消費します。
いやはや、とくに水の使用量がハンパない!

とくに牛肉は、成長までの数年間、
飼料となる穀物を大量に消費することから
水使用量が増大してしまうのです。

もし先進国の私たちが、このまま数十年後も同じような
食習慣を続けていたらどうなるでしょう?

温暖化、水問題、食糧危機など、
グローバルな視点でのさまざまな社会的課題を考えたら
やっぱり身近な食習慣から改善していかなければ、と思うのです。

とはいえ、まだまだ一般家庭においては
「フットプリントって何?」
「なぜそんなに水を使うの?」
などなど、食に関する環境評価への理解は十分とはいえません。そんな家庭の主婦や子供たちにも、なるほど! と
共感、行動してもらえるように、
わかりやすく食材別、キッチンの単位別に
“見える化”したのが今回の取り組みでした。

私たち女性は、キッチンに立つとき、
家族のことを思って料理をするものですが、時には
地球のこと、世界の厳しい環境に暮らす人たちのこと、など
想像を膨らませてグローバルな気持ちで料理をしてみたいもの。

“Good life for someone in the world,

Good life by everyone!”

受賞式で最後にお話したのは、この言葉。

good life award

環境大臣賞というすばらしい賞が、
みんなの行動を後押しするきっかけとなりますように!

 

そして3年間、よきアドバイスをくださった
東京都市大学 伊坪徳宏先生とゼミ学生の皆さんに
心から感謝します。

IMG_3183

 

JOIN IN THIRD PLACE

昨年から続けてきた「スマートな住まい・住まい方カフェ」
(テレビ神奈川×横浜市主催 全5回講座)も
先日、ようやくまとめの回が終わり一段落しました。
ローカルファースト、セカンドライフ、サードプレイス・・・と続けてきたなかでも、個人的にとても興味があったのは
サードプレイスをつくる、ということ。

我が家でもなく、職場でもない、もう一つの居心地のいい場所。

Thirdplace in bukatsudo

それは私にとって、地元横浜の仲間たちとの場であり、
スマート・ウィメンズ・コミュニティという活動の場でもあり。参加者の中には、子育てから広がるつながり、水辺の活動、
おやじの飲みつながりw ・・・など
さまざまな意見がありましたが、そこにいた多くの人たちが
何かしなくては、何かしたい、という気持ちだったり、
すでに活動していたり。

「サードプレイスとは、場が先にあるのではなく、
人の気持ちが先にあって、そこから広がるもの」

今回のゲスト、博報堂ブランドデザインの兎洞武揚さんの言葉にも、なるほどー、と納得しきりでした。

社会の課題を解決する、
新しい面白いことを生み出す、
そんなことができるのもサードプレイスならではの可能性。

住まい方カフェもまた、一つのサードプレイスとして、
ここから新たなつながりが生まれることに期待しています!

スマートな住まい・住まい方カフェ サードプレイス (外部サイト

 

Love your Life—大切なモノ、ひと、コト。