まちレシピ@有隣堂本店

雑誌「コトレシピ」3号にて特集した
「だんごコミュニティ」をきっかけに
有隣堂伊勢佐木町本店にて、6月8日に読者イベントを開催しました。

まちをメディアに、どきどきわくわくするコトを創っていこう、
という趣旨ではじめた「まちレシピ」の記念すべき第一回め。
みらい出版、有隣堂本店、スマート・ウィメンズ・コミュニティによる
まちレシピ実行委員会を結成しての開催となりました。
ウォーキングに関しては、みんなの元気学校さんに協力頂きました。

横浜を舞台に数々の小説を書いてきた山崎洋子さんを講師に、
横浜の歴史と、ポールを使った街歩きを楽しむ
「ハマの歴史&ポールウォーキング」というイベント。
あいにくの天気にもかかわらず、大勢の皆さんにご参加頂きました。

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前列左から3番目が山崎洋子さん、その隣の隣がワタクシです。

もともと私はノルディックウォーキングを趣味としているのですが、
全身運動をしながら、ほどよいスピードで街歩きが楽しめる
このスポーツは、年齢に関係なく若者からシニアまで参加できます。
参加者も、若者から上は87歳!まで、
まさに老若男女のだんごコミュニティとなりました。

やって良かった~、とつくづく感じたのは、
読者の皆さんとリアルに交流できたこと。
さすがに皆さん積極的で、街歩きの際にはいつの間にか
皆さんのほうが講師として解説してしまうほど。
知識も経験も豊富で逆にこちらが、教わることが多かったくらい。
参加者同士の交流も行われて、次はどこを歩こう?
などと、サークル感覚の盛り上がりも。

これまで雑誌は、誌面を通して一方通行の情報発信をするものでしたが
これからは、まちや書店も「メディア」となる時代なんです。
リアルな場所を通して、双方向の交流を生み出すことも、
私たち、作り手が考えていかなくちゃ、と思うのです。

だんごコミュニティのススメ

「コトレシピ」春号 no3. ライフスタイル版の特集は、
「だんごコミュニティのススメ」でした。

だんご? え、何それ?

と思うなかれ・・・想像してみてください。
串に刺さった、おだんごのカタチ。
団子3兄弟のごとく、なんだか片寄せあって仲良さげでしょ?

これからは、老いも若きも、男も女も、
世代を超えて縦につながりあえるコミュニティが
大切なんじゃないかと思うのです。
私にも年上の“友人”と呼べる素敵な大人たちがいますが、
いつも彼女、彼らからは、たくさんの刺激を受けています。
そして世代を超えたコミュニティのなかで、
知見を分け与えてくれる年輩者たちは、いつも若々しく元気!

多様な世代と交流することで、互いに刺激しあい、支えあい、
アクティブに今を楽しめる“だんご社会”、
これからの高齢化社会には、そんな異世代交流の場が必要だと思うのです。

koto3 cover

というわけで「コトレシピ」のうち、
私が編集長を務めるライフスタイル版の分冊では
「だんごコミュニティ」のいろんなカタチをご紹介しました。
(書店売り版では、合本として入っています)

 

取材にご協力頂いた皆様、ありがとうございました!
表紙撮影にご協力くださったのは、トライアスロンの名門、
稲毛インターナショナルトライアスロンクラブの皆さま。
下から小坂さとみさん、千葉大会で世代優勝を果たした私の友人。
そして主婦アスリートの水戸しのぶさん、
パラトライアスロン選手の秦由加子さん。
とっても素敵なだんごコミュニティの皆さんでした。

 

「花森安治の仕事」から

『コトレシピ ライフスタイル版』の編集長の話を頂いたときに、

ふと思い出したのが『暮らしの手帖』だ。

「これはあなたの手帖です。

いろいろのことが ここには書きつけてある。

この中のどれか 一つか二つは

すぐ今日 あなたの暮らしに役立ち

せめてどれか もう一つか二つは

すぐには役に立たないように見えても

やがて こころの底ふかく沈んで

いつか あなたの暮らし方を変えてしまう・・・・」という巻頭言は、

私もいたく共感したことを覚えている。

その雑誌を作った伝説の編集長、花森安治について書かれた

「花森安治の仕事」という本を読んだ。

そこには花森が消費者目線で、とことん「気持ちのいい暮らし」を考え抜いたという、編集のスタンスが書かれていた。広告を一切入れず、独立独歩、言いたいことはきっぱり言う。それでいて日本のメーカーが、もっといいものが作れるようにとの愛情も欠かさない。

しかし衝撃だったのは、花森がかつて大政翼賛会で国威宣揚のためのコピーを書いていたという事実。「欲しがりません、勝つまでは」も実は花森のコピーだったという経緯が紹介されている。けれども戦争に加担したという呵責の念が、戦後、花森を変えた。
「こんどの戦争に、だれもかもが、なだれをうって突っ込んでしまったのは、ひとりひとりが、自分の暮らしを大切にしていなかったからだと思う。人は暮らしの中身が貧しいと投げやりになる。(中略)あったかい家庭があれば、戦争にならなかったと思う。そういう家庭をつくるためには、女の人がだいじだ」—-それが『暮らしの手帖』の原点だったんだと思う。

 

いままた、なんとなく危なっかしい感じがする世の中で、

私たちはあったかい家庭、人とのつながりを大切にする暮らしを、

大事に育んでいかなければと思うのです。

花田安治の仕事

 

 

コトレシピ春号「ラクになる夫婦関係」

夫婦関係って、すごく身近なことだけれど

なぜか一般誌で取り上げられることって少ないですよね。

婦人公論みたいな深刻なことじゃなく、

もっと身近な毎日の暮らしのなかでのちょっとしたこと。

仕事や家事もこなしながら、

自分の好きなこと、夫や家族の世話を両立させるにはどうすればいい?

そんな「ラクになる夫婦関係」について

いろんな女性たちの話を聞きたい!と思い

雑誌『コトレシピ』で特集しました。

女性の時代とか、世間ではいろいろ言われるようになったけれど

そうやって女性がいきいき過ごせるのも、

家族や夫がちゃんと見守ってくれるからこそ。

頑張り過ぎずに、ラクに夫婦関係をこなすための秘訣や、

シニア世代の女性たちの、定年後の夫との過ごし方について

私が編集長を務める

『コトレシピ ライフスタイル版』でご紹介しました。
(こちらは、やずや顧客限定冊子)

書店売り『コトレシピ』にもダイジェスト版が掲載されています。

ぜひ一緒に考えてみてください。

IMG_0599kotorecipe上はやずや顧客クラブ向け冊子、下は書店売り合本

ローフット・フードが世界を変える。


ローフット・フードって知っていますか?

Low Footprinted Foodの略で、地球への環境負荷と食との関係を

もっと多くの人たちに知ってもらいたくて、この呼び名を考案しました。

CO2排出=カーボンフットプリント、

水消費=ウォーターフットプリントの値が少ない食材、または調理法を

一般消費者にもっと知ってもらうための、新しい試みを

H24年度から神奈川県の協力を得てスタート。

2年目となるH25年度は、神奈川県の委託により

ローフット・フード講座の開催、小冊子の作成を行ってきました。

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私が主宰する(一社)スマート・ウィメンズ・コミュニティの企画・主催、

専門的なデータや調査については、東京都市大学 伊坪徳宏研究室に

ご協力・指導して頂き、伊坪先生はじめ学生の皆さんと一緒に遂行!

LCAに関しては第一線で活躍されている

伊坪先生にご指導頂けたことは、本当に大きな刺激になり

ひたむきに頑張る学生さんたちとのセッションも得難い経験となりました。

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12/7開催のローフット・フード講座スタッフ集合写真。
前列中央左は、講座のレシピを監修してくださった横田美宝子さん、調理アシスタントの田中さん(中央右)。横田さんの隣が私。後列と田中さん隣は伊坪ゼミの学生さんたち。そしてスマート・ウィメンズ・コミュニティのメンバー中島まゆみ(左端)、山内マヤコ(右端)。

世間ではオープンデータの活用が話題となっていますが、

今回の取り組みはまさに、大学の膨大な量のオープンデータを活用し、

暮らしに役立つ、消費者のための取り組みができた好例ではないかと。

すでにあるウォーターフットプリントのデータを

もっとわかりやすく消費者に伝えるため、今回チャレンジしたのは、

すべてキッチンの単位に置き換え計算すること。

たとえば菜種油なら、大さじ1杯で4Lのウォーターフットプリント・・・という具合。

これを一般的な食材、加工食品50品目において計算し、一覧表を作成しました。

これを活用すれば、日々の献立を考える際にも、

ちょっと環境負荷を意識して、食材や調味料を工夫することが、

地球環境を守る一歩となるかもしれません。

消費者庁が今年のテーマとしている「消費者市民社会の形成」も、

日常の身近なひとコマが、いくつも重なり合って作られていくもの。

そんな願いをこめて続けてきた私たちの活動が、

H25年度の全国消費者フォーラムのテーマの一つに選ばれました!

この活動、「ローフット・フード」が全国の消費者に伝わりますように。

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ふるさとはどこ?

 

『ふるさとづくり』ガイドブック(内閣官房発行)の

インタビューページのお仕事をさせて頂きました。

うさぎ追いし かの山 こぶな釣りし …、

ふるさとってそんなイメージだけれど、東京生まれの私には

ふるさとって呼べるほどのものがないと常々思っていたところ、

このガイドブックは、違った視点での解を与えてくれた気がします。

 

「ふるさと」とは、こころのよりどころ

大都市に生まれ育った私たちにとっては、

「こころをよせる」「そこにかかわる」ことのできる場所が、

新しいふるさとになる、と。

 

明治大学の小田切徳美先生のインタビューでは、

そんな「ふるさと学」のお話から広がって

先生のご出身である横浜本町小学校校歌、

そして『あまちゃん』は優れたふるさとづくりのモデルケースである、など

誌面には書けなかった面白い話題もいろいろ。

『農山村再生』などの著書を多数書かれている小田切先生ならではの

ふるさと再生への想いにふれ、

ふるさとを見つめること、かかわることの意義を、再認識。

個人的にはちょうど山梨県道志村で

間伐ワークショップなどをやっていた時期とも重なって

お仕事ながらも、なんだか個人的に勉強させて頂いたような

忘れがたいセッションでもありました。

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暮らしを見つめて。『コトレシピ』創刊


第二の人生、私らしい暮らし—–

そんな大人の女性の生き方を、ずっと追い求めてきたこの夏。

やっと新雑誌『コトレシピ』として創刊しました。

某通販会社との連携により、50万部の固定読者を含む65万部! 

という一大プロジェクト。

旅行やカルチャーなどカテゴリー別に5冊が1セット、

というユニークな形態の雑誌で

私はライフスタイル版の編集長を務めました。

 コトレシピ

そこにあるのは、今だからこそ伝えたいこと。

価値観が変化したいま、本当に大切なものは何だろう?

自然の恵みのありがたさや、

家族と一緒にご飯を食べるささやかな幸せ、

世代を超えて、みんなが協力し合えるコミュニティの楽しさ、

そんなちょっと昔の日本では当たり前だった暮らし方を

もう一度、振り返りつつ今の暮らしに活かせるような

提案をしていきたいと思っています。

それは例えば、親しい人や家族、先輩に

メッセージを届けるような

親密な気持ち。

まだまだ試行錯誤だらけで、誌面も創刊号というより

“ゼロ号”という感じですが

いろんな読者が気軽に参加できるコミュニティのような雑誌に

なるといいな、と思っています。

スタッフもさまざまなキャリアの個性的な女性たちが参加して、

それぞれの生活感を活かした

リアルに共感できる生活者目線のメディアになりました。

ぜひ書店等で見かけたら、手に取ってみて頂きたい雑誌です。

rice or life…

先日、取材のついでに千葉の某所にて、田んぼで草取り初体験。
自然農法で栽培されている稲田は、
素足でどろんこになって作業できます。
身体で感じる、恵みの土の柔らかさ、気持ちよかった!!
(農薬を使っている普通の田んぼは、
素足じゃ危険で入れない?!ということも知りました)

けれどもたった1時間の作業でも、
足腰がきつい、きつい。
高齢で頑張る農家さんが除草剤を使いたくなるのも、
わかる気がしました。
持続可能なお米づくりと、食の安全、
どっちをとるかなんて簡単にはいえませんが、
田んぼを楽しむ人がもっと増えるような、
仕組みができたらいいのにね。

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拝啓、Giugiaro sama

カーデザイン界の神、ジウジアーロさま。
いきたデザイン哲学を聞かせてくださり、ありがとうございました。

フォルクスワーゲンの新しいゴルフ発表会
のために5月に来日したジウジアーロは、
きっと歴史に残るような名言の数々を残してくれました。
最近になって、また読み返したくなったのでメモ。

これからの時代の美しさについて考えるとき、

私たちは文化的側面をも考えていかなければならないでしょう。

単なる自己満足では、視覚の汚染になりか ねません。

街の建物や景観などは、きちんと計画されて作られたものが美しい。

一方でクルマにおける美とは断片的なもの、ミリ単位で配慮していかなければい けません。

私たちは、単にうわべだけの美しさ、カッコよさを求めちゃダメで、
文化として人々に伝わるものをのこしていかないと、ですね。
それはクルマだけじゃなく、言葉も行動も、創造するすべてで。

Giugiaro & me

YOKOHAMA love

 なぜか横浜に、ハマってしまう。

たぶん子供の頃よりも、ずっとその気持ちが強くなって

横浜育ちの大人たちは、なぜこうも地元愛が強いのか?

 

先日、仕事で浅野忠信さんのインタビューをして、

なんとなくわかった気がする。

横浜育ちの浅野さんは、子供の頃から根岸の米軍住宅の近くで暮らし

さまざまな異国文化に触れてきたという。

「横浜は港町なので、昔から外国を身近に感じる環境があったのだと思います」

たしかに、子供の頃から町にはいろんな人がいて、外国人もいて。

海の向こうからやってくる人や文化、新しいものが、

いつも身近に感じられるような、オープンなところがあった。

そして自分もまた、人と同じじゃつまんない、個性的に生きるのがいいよね?

みたいな空気が、物心ついたときからまわりを取り巻いていて。

横浜の、その懐の深さは大人になるほど心地よく感じられる。

 boogie cafe

それは街の風景にもいえること。

 

何かあると、必ず行きたくなる場所が横浜にある。

浅野さんは、ネイティブアメリカンの伝説に喩えて、

「友達みたいな場所」は誰にでもあって、そこへ行くと自分をリセットできる、

でも人に教えてはいけないらしい、などと話してくれた。(でもわかってしまった)

 

私も何かあるとつい、行きたくなるとっておきの場所がある。

どうってことのない橋。

一見、どうってことのない場所でも、友達みたいに染みついて、

いつも温かく受け入れてくれる懐の深さ・・・それもまた横浜のいいところ。

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浅野さんインタビューは、セゾン プラチナAMEXカード会員誌6月号にて掲載。

Love your Life—大切なモノ、ひと、コト。